新着情報
【研究論文のご紹介】パンチャカルマの腸内細菌叢への影響について
<アルゼンチンの医学誌に掲載されました!>
当校の及川副校長が研究に携わった論文が、アルゼンチンの学術誌La Prensa Medica Argentina (2020年12月)に掲載されました。
研究者:
渡邊昌 先生(ライフサイエンス推進協会/公益社団法人生命科学振興会 理事長)
及川史歩 先生(当校副校長/ハタイクリニックアーユルヴェーダ医)
三林寛 先生(消化器内科医/当校応用2クラス卒業生)
研究内容(及川副校長コメント):
パンチャカルマ療法(アーユルヴェーダにおける浄化療法)を受けると、体調がよくなった、血圧が下がった、
寝起きがよくなった、顔色がよくなったなど、さまざまな良い効果があることが知られていますが、このような
効果効能は体験すれば感じられるのですが、その体感を数値化して、客観的に証明するということが難しいものです。
パンチャカルマ療法では、経腸療法や、催下療法、また特別な食事療法を伴い、また数日かけて行います。
またオイルマッサージや発汗療法なども毎日行います。このような生活をしばし続けることによってどのような変化が
体に起こっているのかというのは、血液検査や、血圧だけでは推し量ることが出来ないのです。
今回は治療前と治療中、また治療終了後に普段の生活に戻って1か月たってから、の合計3回、腸内細菌を採取して検査しました。
体内にどのような変化が起こり、またその変化がどのくらい継続していたのか、ということを腸内細菌叢の変容を観察することで
調査したものが論文に掲載されている内容です。
筆頭筆者は渡邊 昌先生(公益社団法人生命科学振興会 理事長)です。(参考:渡邊昌 - Wikipedia)
医師であり、国立がんセンター研究所がん情報研究部長や、農業大学教授を経て、公益社団法人生命科学振興会理事長でおられます。
医療を通して病気の治療だけでなく、健康のために尽力なさっており、「医と食」という雑誌を2009年に創刊し発行されております。
腸内細菌達の働きは私たちの体にどのような変化を起こしているのか、いまだに分からないところが多いそうです。
良いと悪いの二種類で片づけられるものではないということです。
ただし、多様性があるということが健康や病気になりにくい事には関係があるそうです。
多様性があると、さまざまな状況や食事や環境に対応できるからです。
今回の研究では、その多様性がパンチャカルマを通して広がる可能性があることが示唆されました。
腸と健康、腸とストレス、腸と脳、さまざまな腸の働きはこれからもどんどん解明されていくことでしょう。
論文は以下からご覧いただけます(外部リンク、英文)。
日本アーユルヴェーダスクール